おしゃれなカフェにあるような、厚みのある無垢材のテーブル。「いつかあんな家具を自分で作ってみたい」と思ったことはありませんか?
しかし、いざホームセンターに行くと、ツーバイフォー(2×4)材は安っぽいし、かといって本格的な一枚板や広葉樹は数万円もして手が出ない……。
そんなDIYerの悩みを一撃で解決する救世主が、ここ数年で爆発的に普及した「カフェ板」です。
「カフェ板」とは、厚さ30mmの杉の無垢板のこと。
その名の通り、並べるだけでカフェのような床や壁、テーブルが作れるというコンセプトの商品ですが、その「使い勝手の良さ」と「圧倒的なコストパフォーマンス」に気づいたDIY好きたちが、こぞって家具作りに採用し始めました。
私自身、これまでにカフェ板を使ってダイニングテーブル、ローテーブル、キッチンの飾り棚など、大小様々な家具を作ってきました。
結論から言うと、「初心者がテーブルを作るなら、カフェ板一択」です。特別な工具(ビスケットジョインターやダボ)がなくても、プロ並みの天板が作れるからです。
しかし、カフェ板は万能ではありません。「杉」という素材特有の「縮み」や「ヤニ」といったクセがあり、それを知らずに作ると、数ヶ月後にテーブルの真ん中に隙間が空いてしまうことも。
本記事では、カフェ板の魅力だけでなく、実際に使い続けたからこそ分かる「デメリットとその対策」、そして「失敗しないテーブルの作り方」を徹底解説します。
そもそも「カフェ板」って何が凄いの?
カフェ板がなぜこれほど支持されるのか。その理由は、スペックを見れば一目瞭然です。
1. 絶妙なサイズ感(30mm × 200mm)
一般的なツーバイ材(38mm厚)より少し薄く、ワンバイ材(19mm厚)より分厚い。この「厚さ30mm」が、テーブル天板や棚板として本当に使いやすいのです。重厚感があるのに重すぎない、絶妙なバランスです。
また、「幅200mm」という広さも魅力。幅80cmのテーブルを作る場合、ツーバイ材なら9枚繋ぐ必要がありますが、カフェ板ならたった4枚で済みます。
2. 魔法の加工「本実(ほんざね)」
これが最大の特徴です。板の側面に、凹凸の加工(サネ)が施されています。
フローリング材のように、隣の板と凹凸を噛み合わせることで、隙間なくピッタリと連結できます。
通常、板を横に繋いで広い天板を作る「板接ぎ(いたはぎ)」は、高度な技術が必要ですが、カフェ板なら「ボンドを塗って差し込むだけ」で、フラットな天板が完成します。これが初心者に推奨する最大の理由です。
3. 【実地調査】驚異のコスパ!ホームセンター3社を回ってみた
「安い」とは聞くけれど、実際いくらなのか?
気になったので、近隣の主要ホームセンター3社を実際に回って、カフェ板(2000mmサイズ)の価格をチェックしてきました。(※2024年時点、筆者調べ。地域や時期により変動します)
| 店舗名 | 販売価格(税込目安) | 特徴・印象 |
|---|---|---|
| カインズ | 1,480円 | 本家本元。在庫量が豊富で、節が少なく綺麗な個体が多い印象。「カフェ板」という名称で売られている。 |
| コメリ | 1,280円 | 「杉板(実付き)」等の名称で売られていることが多い。最安値圏だが、節や欠けがあるワイルドな個体も混ざるので選別が必要。 |
| ビバホーム | 1,580円 | 資材館が強い店舗だけあり、乾燥状態が良い。少し高いが、反りの少ない良質な板が手に入りやすい。 |
4枚買って天板(2000mm × 800mm)を作っても、材料費はたったの6,000円以下。家具屋で買えば10万円するような無垢テーブルが、10分の1以下の予算で作れてしまいます。
買ってから後悔しないために!知っておくべき「弱点」
良いこと尽くめに思えるカフェ板ですが、天然の杉材であるがゆえのデメリットがあります。これを知らずに作ると、後で泣きを見ることになります。
- 乾燥で「隙間」が空く
カフェ板は無垢材なので、部屋の湿度によって呼吸し、収縮します。特に冬場、暖房の効いた部屋に置くと乾燥して木が縮み、板と板の継ぎ目に1mm〜2mmほどの隙間が開くことがあります。 - 傷つきやすい
杉(針葉樹)は、オークやウォールナット(広葉樹)に比べて非常に柔らかい木材です。ボールペンで強く書くと跡が残りますし、缶詰を落とせば凹みます。 - ヤニ(樹脂)が出る
時々、表面からベタベタした樹液(ヤニ)が出てくることがあります。これを放置すると、服についても取れませんし、塗装も乗りません。
これらの弱点は、「シーズニング(購入後1週間ほど部屋に置いて環境に馴染ませる)」「しっかり塗装する」「ヤニはアルコールで拭き取る」といった対策でカバーできます。
「傷も味(エイジング)として楽しむ」というおおらかさを持って挑みましょう。
【実践レシピ】カフェ板で作る「ダイニングテーブル」完全ガイド
それでは、実際にカフェ板を使ってダイニングテーブルを作る手順を解説します。
今回は、大人4人がゆったり座れる「幅160cm × 奥行80cm」のサイズを作ります。
ただ板を並べるだけではありません。長く使っても壊れないための「プロの知恵」を詰め込んだ手順です。
- カフェ板(2000mm):4枚(※幅200mm×4枚=800mm幅になります)
- 反り止め用の角材:2本(30mm×40mm、または45mm×45mmの赤松垂木など)
- アイアン脚:1セット(Amazon等で5,000円〜1万円で購入可能)
- 木工用ボンド:「コニシ 木工用プレミアム」などの速乾・強力タイプ推奨(ボトル大)
- ビス(コーススレッド):長さ45mm〜50mm
- サンドペーパー:#120、#240
- お好みの塗料:ブライワックス(Briwax)など
- 荷締めベルト(ラッシングベルト):2本(※超重要アイテム)
- ウエス(捨てていい布):はみ出したボンド拭き取り用
手順1:【最重要】板選びと仮並べ
テーブル作りはホームセンターから始まっています。
カフェ板は天然木なので、1枚1枚状態が違います。床に板を立てて、上から鉄砲の筒を覗くように見てください。
「弓のように反っている板」や「ねじれている板」は絶対に避けてください。できるだけ真っ直ぐで、大きな節欠けがない板を選びます。
持ち帰ってカット(今回は1600mm)したら、床に並べてみましょう。
「この大きな節は料理の邪魔だから端っこに」「ここは木目が綺麗だからメインの場所に」と、パズルのように配置を決めて、板の端に番号(1, 2, 3, 4)を振っておきます。
手順2:ボンド付けと「荷締めベルト」での圧着
ここが最大の難関であり、仕上がりを左右する工程です。
- ボンドを塗る:
板の側面の「サネ(凹凸)」部分に、たっぷりと木工用ボンドを塗ります。「はみ出すくらい」が正解です。少なすぎると強度が落ちます。 - 差し込む:
板同士を噛み合わせて差し込みます。手で押して入らない場合は、当て木をしてハンマーでコンコンと叩き入れます。 - ベルトで締める:
通常、板接ぎには「ハタガネ」という高価な巨大クランプが必要ですが、持っていない方がほとんどでしょう。
ここで「荷締めベルト(ラッシングベルト)」の出番です。ホームセンターの資材・カー用品売り場で1本500円〜800円で買えます。
ボンドで繋いだ天板の外周にベルトを回し、ラチェット(カチャカチャする金具)でギリギリと締め上げます。板の角がベルトで潰れないよう、角には段ボールや端材を挟んでください。
恐ろしい力で板同士が密着し、隙間からボンドがムニュッと出てきます。
重要:はみ出したボンドは、必ず「濡れた雑巾」ですぐに拭き取ってください!ボンドが残っていると、そこだけワックスや塗料が染み込まず、白く浮き上がってしまいます。
手順3:裏面から「反り止め」を入れる
ボンドが乾いたら(最低24時間)、裏返して「反り止め」の角材を取り付けます。
カフェ板(杉)は湿気で必ず反ろうとします。「反り止め」なしでは、半年後にテーブルが波打って食器が安定しなくなります。
天板の裏側に、板の並びに対して垂直になるように角材を配置し、ビスで固定します。
この時、ただビスを打つのではなく、**「下穴を少し大きめに開けておく(バカ穴にする)」**のがコツです。
木は季節によって幅方向に数ミリ伸縮します。ガチガチに固定すると逃げ場がなくなり、天板が割れてしまいます。少し余裕を持たせて固定することで、木の呼吸を妨げずに反りを抑え込めます。
手順4:サンディングと塗装
全体を電動サンダーや紙やすりで磨きます。
カフェ板は元々表面仕上げが良いですが、接合部分の微妙な段差を#120で平らにし、全体を#240でツルツルに仕上げます。角(エッジ)を少し丸めると、肌触りが優しくなり、服が引っかかるのも防げます。
塗装は、カフェ板の風合いを活かす「ブライワックス(Briwax)」が鉄板です。
スチールウール(金たわし)やスポンジにワックスを取り、木目に沿って擦り込みます。杉は吸い込みが良いので、色は濃く出やすいです。
全体に塗り終わったら、タワシでゴシゴシと磨き、最後にウエスで拭き上げると、鈍く光るアンティーク家具のような艶が出ます。
手順5:脚を取り付けて完成!
最後に、Amazonや楽天で購入した「アイアン脚」を裏面からビス止めすれば完成です。
カフェ板の厚みは30mmあるので、20mm〜25mm程度のビスを使えば突き抜ける心配もありません。
鉄の黒い脚がつくと、杉のほっこり感が一気に引き締まり、カフェや雑貨屋さんのようなテーブルに生まれ変わります。
【応用編】余った端材でウォールシェルフ
テーブル作りで余った400mmの端材は、絶対に捨てないでください。立派な棚板になります。
- キッチンの調味料棚に:
100円ショップのL字金具で壁に取り付けるだけで、厚みのあるリッチな棚になります。ブライワックスで塗装すれば、スパイスボトルが映える男前インテリアに。 - 玄関の飾り棚に:
杉の香りがほのかに漂うので、玄関にも最適です。厚みがあるため、少し重い観葉植物を置いてもたわみません。
まとめ:カフェ板でDIYの常識が変わる
かつて、無垢のテーブルを作るには、高い木材とプロの技術、そして高価な工具が必要でした。
しかし、カフェ板の登場で、誰でも週末に1万円以下の材料費で、一生モノのテーブルが作れるようになりました。
カフェ板テーブル成功の3ヶ条
- 選別:ホームセンターで時間をかけ、反りのない板を選ぶ。
- 圧着:荷締めベルトを使って、これでもかと隙間を締める。
- 反り対策:裏面の補強をサボらず、木の呼吸を計算に入れる。
自分で選んで、自分で磨いたテーブルで飲むコーヒーは格別です。
傷がついたらまた磨いて、ワックスを塗る。そうやって育てていけるのも、無垢材であるカフェ板ならではの楽しみです。
ぜひ今週末、お近くのホームセンターでカフェ板を手に取ってみてください。「これなら作れるかも!」というワクワク感が湧いてくるはずです。

