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【ツーバイ材DIY完全ガイド】2×4のサイズ一覧から「反らない板」の選び方・家具作りまで徹底解説

この記事でわかること

  • 「2×4」の実寸と、ホームセンターで買えるサイズ一覧
  • 山積みの木材から「反り・ねじれ」のない良品を見分けるプロの技
  • 木材を割らない「下穴」の開け方と「ビス選び」の鉄則
  • 屋外で使うと1年で腐る?SPF材の正しい塗装と防腐対策
  • 余った端材で作れる簡単ウォールシェルフ&作業台レシピ

DIYを始めようとホームセンターに行くと、必ず山積みになっている白っぽい木材。それが「ツーバイ材(SPF材)」です。
「安い!これなら失敗しても痛くない!」と、とりあえずカートに入れている方も多いのではないでしょうか。

確かにツーバイ材は、世界で最もコスパに優れた優秀な木材です。
しかし、同時に「最も扱いが難しい木材」でもあります。なぜなら、買ってきた時は真っ直ぐだったのに、家に帰って数日置いたら「バナナのように反り返っていた」とか、設計図通りに切ったはずなのに「組み立てたら長さが合わない」といったトラブルが頻発するからです。

私自身、DIYを始めた頃は、適当に買ったツーバイ材がねじれすぎて使い物にならず、大量の焚き火の薪を生み出してしまった経験があります。
ツーバイ材DIYを成功させるカギは、技術よりも「最初の木材選び」「規格の正しい理解」にあります。

本記事では、初心者が混乱しやすいサイズの実寸一覧から、ホームセンターの山の中から「当たり」の木材を見つけ出すプロの選別テクニック、そして実際に家具を作るための加工術までを、徹底的に解説します。

そもそも「ツーバイ材(SPF材)」とは?

ツーバイ材とは、主に北米から輸入される建築用木材の規格総称です。
材質は「SPF(エスピーエフ)」と呼ばれる、Spruce(トウヒ)、Pine(松)、Fir(モミ)の3種混合が一般的です。

DIYに向いている3つの理由

  • 圧倒的な安さ:2×4材(長さ1820mm)で1本400円〜600円程度(※相場変動あり)。
  • 加工のしやすさ:柔らかい針葉樹なので、手ノコギリで切りやすく、ビスも打ちやすい。
  • 入手性:日本中どこのホームセンターでも同じ規格で売っている。

【最重要】「2×4」は「2インチ×4インチ」ではない!

ここが初心者が最初に躓くポイントです。
「2×4(ツーバイフォー)」という名前だから、「厚さ2インチ(約50mm)× 幅4インチ(約100mm)」だと思って設計図を書くと、絶対に失敗します。

木材は乾燥やカンナがけの工程で縮むため、実際に売られているサイズ(実寸)は、呼び名よりも一回り小さくなっています。

覚えておくべき「ツーバイ材のルール」

2×4材の実際のサイズは、「厚さ38mm × 幅89mm」です。
設計図を書くときは、必ずこの「ミリ単位の実寸」で計算してください。

【保存版】ツーバイ材・ワンバイ材のサイズ一覧と使い道

ホームセンターでよく見かけるサイズと、それぞれのDIYでの適した用途をまとめました。
※長さは「3フィート(約910mm)」「6フィート(約1820mm)」が一般的です。

1. ツーバイ(2x)シリーズ:厚さ38mm

柱や棚の脚、テーブルの脚など、強度が必要な場所に使います。

呼び名 実寸(mm) 主な用途
2×4
(ツーバイフォー)
38 × 89 DIYの基本中の基本。ディアウォールなどの突っ張り柱、作業台の脚、小屋の骨組みなど万能選手。
2×6
(ツーバイシックス)
38 × 140 幅が広いので、ベンチの座面や、ガッチリした棚板、ダイニングテーブルの天板におすすめ。
2×8
(ツーバイエイト)
38 × 184 非常に重厚。足場板のような使い方ができます。階段の踏み板や、重量級の棚板に。

2. ワンバイ(1x)シリーズ:厚さ19mm

ツーバイ材の半分の厚み。薄くて軽いので、箱作りや小物家具、棚板に使います。

呼び名 実寸(mm) 主な用途
1×4
(ワンバイフォー)
19 × 89 2×4材と組み合わせて棚板にするのが定番。スノコや木箱、壁面収納の板としても優秀。
1×6
(ワンバイシックス)
19 × 140 幅広の棚板として人気。1×4を2枚並べるより継ぎ目がなく綺麗。

3. 角材シリーズ

  • 4×4(フォーバイフォー):実寸 89mm × 89mm
    正方形の太い角材。ウッドデッキの束柱(基礎部分)や、フェンスの支柱に使われる、まさに「大黒柱」です。

ホームセンターで「ハズレ」を引かない!プロ直伝の選別方法

ツーバイ材は、工業製品ではなく「天然の木」です。しかも、未乾燥の状態で出荷されることも多く、売り場に並んでいる間にどんどん変形していきます。
山積みされた木材の中から、使える「当たり」を引くためのチェックポイントを4つ紹介します。

手順1:積み山から「良い子」を掘り起こす

まず大前提として、山の一番上に置いてある板は、誰も選ばなかった「残り物(ハズレ)」である可能性が高いです。
遠慮せずに、上の板を一旦どかして(もちろん丁寧に!)、中層〜下層にある板をチェックしましょう。
※作業後は必ず綺麗に積み直すのがDIYerのマナーです。

手順2:「鉄砲」のポーズで反りとねじれを見る

これが最も重要です。
板の端を持ち、片目を閉じて、板の長手方向(長さ方向)を鉄砲の照準を合わせるように見通してください。

  • 弓なり(Bow):バナナのように曲がっている。多少なら矯正できますが、激しいものはNG。
  • ねじれ(Twist):プロペラのようにねじれている。これは絶対に買ってはいけません。矯正不可能で、組み立てた家具全体が歪みます。

手順3:節(フシ)と「死に節」チェック

木に節があるのは当然ですが、「死に節(しにぶし)」には注意が必要です。
節の周りが黒くなっていて、指で押すとグラグラしたり、すでに抜け落ちて穴が開いているものです。
ビスを打つ場所に大きな節があると、硬くてビスが入らなかったり、木が割れたりします。作りたい家具のビス位置をイメージして、邪魔な場所に節がない板を選びましょう。

手順4:ヤニと「重さ」

  • ヤニ(樹脂):表面にネバネバした松脂(まつやに)が染み出しているものがあります。服につくと取れないので、避けるのが無難です。
  • 重さ(水分):同じ2×4材でも、持ってみると「ズシッと重いもの」と「軽いもの」があります。重いものは水分を多く含んでいる証拠です。これらは**家に持ち帰って乾燥すると、激しく縮んだり反ったりするリスクが高い**です。できるだけ「軽くて乾いている板」を選んでください。

【加工編】木が割れるのを防ぐ「下穴」の極意

「さあ、良い木材も買ってきたし、早速組み立てよう!」
意気揚々とインパクトドライバーを握り、太いビスを木材の端に打ち込んだ瞬間……

「ミシッ……バキッ!!」

乾いた音と共に、木材の先端に亀裂が入り、せっかく選別した材料が台無しに。
これは、ツーバイ材DIY初心者が必ず通る道です。

ツーバイ材(SPF)は繊維が直線的で加工しやすい反面、「繊維に沿って裂けやすい」という性質を持っています。特に板の端っこ(木口付近)は、いきなり太いビスを打つと高確率で割れます。

ビス打ちは「下穴」が9割!

絶対にサボってはいけません

ツーバイ材の端から5cm以内の場所にビスを打つ場合、下穴なしで打つとほぼ間違いなく割れます。
面倒でも、必ず下穴を開けてください。このひと手間で仕上がりの強度が変わります。

使うビス(コーススレッド)の太さより「少し細い」ドリルビット(径2.5mm〜3.0mm程度)を使い、ビスの長さの半分くらいの深さまで下穴を開けておきましょう。

「コーススレッド」の長さと種類の正解

ツーバイ材の組み立てには、釘ではなく「コーススレッド」という木工用ビスを使います。
釘よりも保持力(抜けない力)が圧倒的に強く、失敗しても逆回転させれば抜けるため、DIYには必須です。

長さのルール:「取り付ける板の厚さの2倍」

ビスが短すぎると強度が足りず、長すぎると突き抜けてしまいます。基本ルールは「取り付ける側の板の厚さの2倍」です。

  • 2×4材(厚さ38mm)同士を繋ぐ場合:
    38mm × 2 = 76mm → 「75mm」のコーススレッドが基本です。
  • 1×4材(厚さ19mm)を2×4材に貼る場合:
    19mm × 2 = 38mm → 「35mm〜40mm」程度のスリムビスを使います。

「半ネジ」と「全ネジ」の違いを知っていますか?

ホームセンターのビス売り場には、同じ長さでも「半ネジ」と「全ネジ」の2種類があります。
2×4材同士を密着させて固定したいなら、絶対に「半ネジ」を選んでください。

「組み立てたのに、なぜか板と板の間に隙間が空いてグラグラする…」
その原因のほとんどは、間違って「全ネジ」を使っていることにあります。
半ネジは、ネジ山がない部分で手前の板が空回りするため、奥の板へと強力に引き寄せられ、隙間なく密着します。

塗装で仕上がりを変える!塗料の選び方

ツーバイ材(SPF)は白木で綺麗ですが、そのままだと汚れやすく、安っぽく見えてしまうこともあります。用途に合わせた塗料を選ぶことで、高級家具のような風合いを出せます。

  • 屋内用(アンティーク風):ブライワックス(Briwax)
    固形のワックスをスポンジで擦り込むタイプ。木目を活かした渋い色合いになり、手触りもスベスベになります。
  • 屋内用(木目強調):ワトコオイル(Watco)
    木材の内部に染み込んで固まる塗料。木目がくっきりと浮き上がり、深みのある仕上がりになります。
  • 屋内用(テーブル天板):水性ウレタンニス
    表面に硬い塗膜を作ります。水拭きが可能になり、傷や汚れに強くなります。食事をするテーブルには必須です。

【警告】ツーバイ材を「屋外」で使うときのリスク

最後に、ウッドデッキや室外機カバーを作ろうとしている方に重要な警告です。
ホームセンターのSPF材(2×4材)は、基本的に「屋内用」の木材です。

SPF材を無塗装で屋外に置くとどうなるか?

  • 半年後:紫外線で灰色に変色し、ひび割れが入ります。
  • 1年後:雨水が溜まる接合部から腐り始め、キノコが生えることもあります。
  • 2年後:ボロボロに朽ちて崩壊します。

どうしてもSPF材を屋外で使いたい場合は、「キシラデコール」などの強力な防腐・防虫塗料を、組み立てる前に6面すべて(特に木口!)にたっぷりと塗ってください。
予算が許すなら、最初から腐りにくい「ウエスタンレッドシダー(WRC)」や、防腐剤が注入された緑色のSPF材を選ぶのが賢明です。

【レベル別】ツーバイ材で作るおすすめDIYレシピ3選

ここまでの知識(選び方、下穴、塗装)があれば、もう怖いものはありません。
余ったツーバイ材やワンバイ材を使って実際に作れる、初心者におすすめの家具レシピを難易度順に紹介します。

レベル1:余った1×4材で作る「ウォールシェルフ」

ツーバイ材DIYで必ず出るのが「端材(はざい)」です。特に1×4材の端切れは、壁面収納に最適です。

作り方

  1. 1×4材(長さ300mm〜600mm程度)を好きな色で塗装します。
  2. 壁に棚受けブラケット(100円ショップやIKEAのものでOK)を固定します。
  3. 棚受けの上に1×4材を乗せ、下から短いビス(15mm〜20mm)で固定して完成。

1×4材は幅が89mmと絶妙に狭いので、圧迫感のない飾り棚になります。トイレの予備ペーパー置きや、玄関の鍵置き場にジャストサイズです。

レベル2:賃貸でもOK!「ラブリコ/ディアウォール」の柱

2×4材をDIYの主役に押し上げた立役者が、この「突っ張りパーツ」です。
壁に穴を開けずに、床と天井の間で2×4材を突っ張らせて柱を作ります。

注意点:計測は慎重に!
以前、計測を適当にやってしまい、柱が短すぎて突っ張れなかったことがあります。
ラブリコやディアウォールは、メーカーごとに「天井高さマイナス◯◯mm」というカット指定があります。これを守らないと失敗します。「計測は3回、カットは1回」が大工の格言です。

レベル3:憧れのガレージ感!「ソーホース(作業台)」

DIYerなら一つは持っておきたい、無骨でカッコいい作業台です。
「ソーホースブラケット」という鉄の金具を使えば、2×4材を差し込むだけで馬(うま)と呼ばれる脚が完成します。

  • 材料:2×4材(脚用4本、天板用1本)、ソーホースブラケット2個1セット。
  • 作り方:脚となる2×4材を4本、同じ長さにカットし(腰高の750mm前後)、ブラケットに差し込んで固定するだけ。

これを2セット作り、その上に大きな板(コンパネなど)を渡せば、簡易的ながら最強の強度のワークデスクになります。使わない時は分解して収納できるのもメリットです。

まとめ:ツーバイ材を制する者はDIYを制す

ツーバイ材(SPF)は、単なる「安い木材」ではありません。
その規格、クセ、扱い方さえ理解すれば、小さな棚から巨大なウッドデッキまで、家中のあらゆるものを自分の手で作り出せる「無限の可能性を持った素材」です。

ツーバイ材DIY成功のロードマップ

  • 買うとき:「2×4」の実寸(38mm×89mm)を理解し、反り・ねじれのない板を選別する。
  • 作るとき:必ず「下穴」を開けて割れを防ぎ、「半ネジ」で隙間なく固定する。
  • 守るとき:用途に合わせた塗装を行い、屋外使用なら防腐対策を徹底する。

最初は失敗するかもしれません。私がそうだったように、ねじれた木材を買ってしまったり、端を割ってしまうこともあるでしょう。
ですが、ツーバイ材は1本数百円です。失敗を恐れずに、まずはホームセンターで「一番真っ直ぐな木」を探すことから始めてみてください。
その1本が、あなたの部屋を、そして暮らしを大きく変える第一歩になるはずです。